篆書体による朱文の裏印乾隆年製のある胴が球状の花瓶天球瓶で九つの桃枝葉舞う蝙蝠こうもりが粉彩技法で描かれています粉彩ふんさいとは焼成した純白の磁器に色を付ける上絵付技法の一種清 都市の雪害や凍結による輸送中断は、不可抗力とみなす。
篆書体による朱文の裏印「乾隆年製」のある、胴が球状の花瓶(天球瓶)で、九つの桃、枝葉、舞う蝙蝠(こうもり)が、粉彩技法で描かれています。粉彩(ふんさい)とは、焼成した純白の磁器に色を付ける上絵付技法の一種。
清の第6代皇帝「乾隆帝(けんりゅうてい)」は、在位期間1735年~1795年、清王朝の最盛期を創出、中国史上でも屈指の繁栄期であったとされています。
この「乾隆帝」の在世時に作られた陶磁器の裏には「大清乾隆年製」や「乾隆年製」が銘として入れられたようです。
ところで「真作」に対して「贋作、模造品、複製品、レプリカ」などは、いわゆる「偽物」とされる作品で決していい感じはしませんが、美術品や工芸品の世界では、国や時代を問わず、贋作や模造品が出回ることは常で、中には「真作」と見分けがつかないほどの作品があることも事実です。模造品とはいえ質の高いものも多くあります。
一方「写し」と呼ばれる作品は「偽物」とは少し異なり、後世の作家が真作者に敬意を払いその作風を採り入れて製作した作品が「写し」と呼ばれます。
出品の花瓶が200年以上前の「乾隆帝」の時代に製作された「真作」なのか、当時または後世に製作の「偽物」なのか、あるいは「写し」なのかは分かりません。裏印なども判定(鑑定)根拠になるのでしょうが。
保管されていたものですが、化粧箱はなく入手経緯や使用状況などは不明です。目立ちませんが表面に若干の薄汚れがありますが、製造後に生じたと思われるキズや欠け、割れなどはほとんど見られません。製造由来と思われる傷もほとんどありませんが、高台裏の3ヶ所にピンホールと高台縁にザラ感が2、3ヶ所に見られます(画像写真6枚目)。状態としては良好だと言えます。
大きさは約、高さ32cm、口外径5.5cm、口内径4.6cm、胴最大径20.5cm、底径12cm、重さは約2800gです。なお、水漏れがないことは確認しています。
春を代表する梅、桃、桜の花の時期は既に過ぎましたが、中国では桃は長寿を象徴する仙木とされ、桃の花は天桃とも呼ばれるようです。
出品の花瓶が「真作」か「偽物」か「写し」か、地域は、時期は、製作者は、などは知りたいところですが、そのようなことから離れ、花瓶に、置物に、お使いいただくと、華やいだ雰囲気を十分に味わっていただけると思います。
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